過払い金いくらある!?~引き直し計算とは~
自分にはいくらの過払い金が発生しているのか気になる人も多いかと思います。
過払い金を請求するには『グレーゾーン金利』がある時期に借入れをしていた人が対象です。
過払い金を算出する方法としてグレーゾーン金利で支払っていた利息を利息制限法で引き直し計算します。
引き直し計算について詳しく説明します。
◇過払い金が発生した原因のグレーゾーン金利
過払い金請求は、借入れをしたことがあれば誰にでもできることではなく、グレーゾーン金利でお金を借入れしてたことのある人が対象になっています。
グレーゾーン金利とは、利息制限法と出資法の上限金利の差分です。
消費者金融や信販会社などの貸金業者は利息制限法の上限金利を守って貸付をしなければいけませんが、2010年の改正前までは貸金業法第43条(みなし弁済)によりグレーゾーン金利での貸付が認められていたので、出資法の上限金利(29.2%)で貸付をおこなっていました。
改正前に支払っていたグレーゾーン金利は、最高裁判所で「多く支払っていた利息は元本に充当される」と認められ、元本以上に支払っていたグレーゾーンの利息は過払い金請求が可能となりました。
◇グレーゾーン金利が発生していた期間
多くの大手消費者金融や大手カード会社は2006年の最高裁判決を機に金利を利息制限法の範囲内に引き下げたので、グレーゾーン金利が発生していた期間の目安は2007年以前に借りていた期間です。
グレーゾーン金利の利息でお金を借りていないと、そもそも過払い金が発生しないので引き直し計算をしても意味がありません。
引き直し計算は、過払い金を算出する計算だからグレーゾーン金利で借金をしていたことがある人が対象です。
◇引き直し計算とは
過払い金請求をするにあたり、まずはいくら過払い金が発生しているかを知るために引き直し計算をします。
引き直し計算とは、グレーゾーン金利で支払っていた利息を利息制限法の金利(15~20%)で計算し直すことです。
引き直し計算は利息制限法の金利を使いますが、利息制限法の金利は借入れ額によって変わり「借入れ額10万未満は20%」「借入れ額10万円~100万円未満は18%」「借入れ額100万円以上は15%」となっています。
しかし、一旦金利が下がるとその後もその金利が維持されます。例えば、借入れ額が100万円以上になった場合の金利は15%ですが、その後返済をして借入え額が100万円未満になっても金利は18%にはならず、借入れ額100万円以上の金利15%が維持されるので、そのまま15%で計算を続けます。
引き直し計算をする場合、これまでの取引を記録した取引履歴が必要になります。司法書士や弁護士などの専門家に依頼した場合は、専門家が取り寄せてくれますが、ご自身でやる場合は、業者に問い合わせをして取り寄せる必要があります。
★引き直し計算例★
100万円を年利29%で借入れし、1年間に29万円の返済を1回ずつおこなったとします。この場合、元本の100万円には1年間で29万円の利息が発生していますので、29万円の返済では利息分しか返済されず元本がまったく減りません。この状態だと何年経っても借金を完済することはできません。
これを利息制限法の金利で引き直し計算すると、100万円の年利は15%なので1年間に15万円の利息が発生します。もともと支払っていた利息29万円から15万円を引いた14万円は利息制限法に違反している利息なので、元本の返済に充てることができ残高は86万円になります。
この計算を繰り返しおこなうと下の表にあるように元本は減っていき、過払い金請求ができる金額をだすことができます。この例だと6年目には過払い金が発生していたことがわかります。
◇過払い金には5%の利息がつくってホント!?
過払い金請求は、消費者金融や信販会社などの貸金者が悪意の受益者である場合は過払い金に5%の利息付きで請求することができます。悪意の受益者であるかどうかの判断は裁判所がするため、利息付きで請求する場合は訴訟する必要があります。
引き直し計算って思っていたより簡単にできます。
上記の例のように取引回数が少ない場合は簡単に計算できますが、取引回数が多い場合は、計算が複雑になってむずかしくなったり入力間違えなどで、正しい計算ができていないケースもあるので注意が必要です。
取引回数が多くて自分では計算がむずかしい場合は、司法書士や弁護士などの専門家に依頼した方が良いでしょう。
ただ、名古屋消費者信用研究会やTDONなどのソフトを使えばだれにでも計算ができます。
◇まとめ
過払い金請求をするためには、まず引き直し計算をして過払い金がいくら発生しているかを調べます。引き直し計算とは、グレーゾーン金利で支払っていた利息を利息制限法(15~20%)の金利で計算し直すことです。
引き直し計算は自分でもできますが、取引回数が多い方は計算が複雑になりむずかしくなることもありますので、弁護士や司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。
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